スポーツに全く興味のない女が突然プロレスにはまった話
私は小さいころからとにかく運動が苦手だ。
学校のマラソン大会なんかはみんなから「頑張ってー!」と応援されながらどうにか完走するタイプの人間だった。
あの声援まじいらないからな。運動ができないことを晒し物にする文化、滅びろ。
小学生のころからスイミングは習っていたが、
まぁ披露する場面ないし。夏休みのプール課外でなくていいくらい。
野球もサッカーもやったことないのはもちろん、
テレビでやってても、ルールがわからないからちっともおもしろくない。
やれ、ワールドカップだっつってユニフォームきて渋谷歩いてるにわか女たち全員滅びろ。
そんな私が2年前、突然プロレスにどはまりした。
もちろん格闘技やボクシングが好きだったわけではない。
むしろプロレス好きになった今、プライドとか観ててもちっとも面白さがわからない。
でも子供のころから「ミルコクロコップ」という響きとミルコがはいてるパンツの柄は好きだった。
私がプロレスにはまったきっかけ。
そんなもん、男に決まってる。
当時、気になっていた男の子がプロレス好きだときき、
光の速さで働いていたレンタルショップでドラゴンゲートのDVDをレンタルして観た。
女も男と変わらない。アホなのだ。
好きな人に近づくためには興味のないものでも手をだす。
あと、「プロレス観戦しながら飲むビールはうまいらしい」と聞いたことがあったのも背中をおした。
はじめてみたプロレスは思っていたものとは違った。
プロレスって毒霧吐いて、椅子で殴って血まみれになって勝つバイオレンスゲームだと思っていた。うん、まぁそうなんだけど。
しかし、私がみたプロレスは踊るし、ふざけるし、かなりエンターテイメント。
それでいて、技をかけるだけではなく、相手の攻撃を受けて、返して、受けて、返して、最後にきめる!!かっこいい。一方的じゃなくて受けとめてそれを含めて返すって!
野球より、水泳より、ボクシングより漢の勝負じゃないか!!
そしてなによりもの衝撃は、跳ぶことだった。
フラミータというメキシコ出身のレスラーが、まぁ身軽に跳ぶ!!
もう文章では絶対に説明不可能なんですけど、リングの上ってもしかして無重力なんですか?ってくらいの跳躍力とスピードで飛び回る。
私が今までにみたスポーツの中で、一番エンタメ性の高いスポーツだと思った。
満を持してプロレスという共通趣味を無理やり作った私は、
気になっている彼に飲み会でどや顔で言った。
「最近、プロレス観てるんですよ!」と
彼は目を輝かせて「どこの団体ですか?」と食いついた。
キタキタキターーー!レンタルした甲斐があったわい!!
「ドラゴンゲートです。」っといった瞬間、彼の目の輝きが消えた。
え!?私なにを間違えた!?ドラゲしらないの?プロレスだよ??
なにか次の手をとまだほぼない知識を必死に振り絞って、
「でも、本当は新日本がみてみたいな~とは思ってるんです。(あれ、全日本だっけ?)」と苦し紛れに付け足した。
その瞬間、彼の目にまた光が戻り、ベストバウトを語りだす。
安堵!!知らない団体の知らない選手の試合の話は全て右から左だったが、
盛り上がったので、とにかく安堵!!
そんなテンション変わるくらい違うのかね?くらいにしか思ってなかった。
後日、夜中にアイス食べながら彼おすすめの試合をみて驚愕した。
私が今までみてたのは真のプロレスではなかったかもしれない…!と。
新日本の選手は踊らないし(エアギターはするけど)、お笑いマッチなんてないし、オカマポジションもない。
真の漢と漢の戦いやでぇぇぇぇ!!!!と深夜にひとり大興奮した。
たしか飯伏と中邑の1.4を観て。
それを境に、新日本プロレスワールドに登録し動画を漁り、
試合も観にいくようになり、
しまむらと新日本プロレスがコラボしたクッションをしまむら3軒ハシゴして探したり(ひとりで)、
電車で一時間半かけてHMVとコラボしてた新日本プロレス展にいって一時間半滞在したり、
そこでケニーオメガが書かれたTシャツ買ったり、
それを着てコストコに行ってみたり、
2年かけてがっつり自分の趣味になった。
ちなみにきっかけの彼とはそれ以降好きを通り越して、
試合見に行ったり、語りながら飲んだりする、すごく仲のいい友達になった。
プロレスマジではまるから、一度固定概念とっぱらってみてほしい。